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2005年11月04日

蝋人形の館

「ドミノ」、どうもトニ・スコの「いつものヤツ」を観せられたような感じしかしなくて、なんか食い足りないので、晩飯食ったあとにもう一本観ました。「蝋人形の館」です。
ひさしぶりの連チャンですが、実は「ドミノ」の最中にひと眠りしてたため、体力は十分っス。うーん、一本観たあと「もう一本観るか」という時の気持ちっていいもんですね。連休1日目の夜というか、明日も休みだっていうか、ベガルタ仙台の試合を観戦したあと、今夜はユベントスの試合もあるというか、玉澤の黒砂糖まんじゅう食ったあと、コレはすぐ固くなるから夜になったらもう1個食っておこうっていうか、なんか贖罪というか、すべてを許されたような気持ちになります。あははは。
ほんで「蝋人形の館」、いいですね。マジメに撮ってるホラーを観ると、気持ちが引き締まるというか、オレも明日からがんばろうというか、男は親孝行しなきゃだめだろっていうか、ま、そこまで思う人はあんまりいませんが、やっぱりホラーっていいです。
監督はジャウム・コレット=セラという人。「コレット」と「セラ」の間につく「=」はどういう意味なのかわかりませんが、これがデビュー作だそうで、もしかしたらそのうちメジャーで一発当てる人になるかも。いや、どうかな。最近の人はクリストファー「メメント」ノーランにしろ、ダーレン「π」アーノフスキーにしろ、ヴィンチェンソ「CUBE」ナターリにしろ、みんなそのあとも地味ですね。そう言えば、アレハンドロ「オープン・ユア・アイズ」アメナバールも、ダニー「トレイン・スポッティング」ボイルも、ピエール「アメリ」ジュネも、みんなハリウッドから自分の国に帰ってしまいました。ワタシは、今やもうみんな海に出てしまってるんだから、どこが中心とかどこが辺境とかはもうないんじゃないか、と最近思ってるんですが、日本のプロ野球の人は「メジャーでやりたい、メジャーでやりたい」ばっかり言ってる今日この頃ですね。

投稿者 いがらしみきお

2005年10月04日

キャビン・フィーバー

近くのレンタル屋で一週間待っても入荷しないので、久しぶりにDVD買いました「キャビン・フィーバー」。そんなに見たかったのかというと、そういうわけでもないんですが、おもしろいのかいな、と思いながらも観られないとなると、歯医者に行かなければいけないのを伸ばし伸ばしにしている毎日みたいで、なんだか落ち着きません。それでたまたま某家電量販店に行ったら、ポイントが残ってたんで、ノーマネーで買えました。ラッキーラッキー!DVD買ってこんなに幸せな気分になるなんてひさしぶりです。あははは。
この制作費150万ドルの映画、トロント映画祭でクロージング上映し、全米のバイヤー殺到、配給権を獲得したライオンズゲートが宣伝費1300万ドルかけて全米2000館の拡大ロードショー、全米興行初登場3位、タランティーノ、トビー・フーパー、ピーター・ジャクソンに絶賛されたそうです。なんか運のいい映画らしくて、それでワタシのポイントも知らないうちに増えてたのかも。
監督のイーライ・ロスという人は、デビッド・リンチのショート・フィルムのプロデュースをやった人とか、すでに業界人らしくて、そうか、それでワタシも敬愛するアンジェロ・バダラメンティに音楽やってもらえたんだな。どこまで運がいい映画なんでしょう。それで内容はというと・・・、うーん、やっぱりつくづく運のいい映画ですね、これ。

投稿者 いがらしみきお

2005年09月05日

ランド・オブ・ザ・デッド

とにかくこの辺の土曜日はただでさえ混雑するのに、仕事場の近くの公園で夏祭りまであるというし、土曜日だと隣の部屋のバレエ教室の子供らが怒濤のダンスをはじめて、体感震度3ぐらいの揺れの中でがまんして仕事しなければならない上に、すぐそばの仙台スタジアムではベガルタ仙台の試合まであるものと思っていたので、もう休みました。休んで「ランド・オブ・ザ・デッド」観に行きました。なんかヤケクソ感が漂ってますけど。
結局というか、やっぱりというか、ロメロはロメロです。いいところはロメロだからだし、悪いところもやっぱりロメロだからです。ロメロはロメロ、20年たってもロメロです。なんかロメロメ言ってますが、特に感傷に浸ってるわけじゃなくて、無常観に溺れてるわけでもなくて、強いていえばWけんじの漫才をまた観れたというか、その程度の満足感はあります。でも、今の若い人がWけんじどう思うかなぁ。
ウチの嫁さんと娘は「NANA」とか読むそばから、「ガラスの仮面」とか喜んで読んでるんですが、こういう一見「今も昔もないよ」というパラレルな傾向というのは、実はやっぱり昔のものは昔のものとして見ているわけで、昔のものを今「新作」として出すのとはわけが違います。そういう意味ではロメロはもうゾンビ物の新作を撮らなくてもいいんじゃないでしょうか。
最近、娘に言われました。「パパはなに観てもおもしろくないって言うよ」と。ま、そのとおりなんで、「うん。だからパパは映画観る資格ないんだよ」と言いました。「じゃぁなんで観るの」と娘。「そりゃぁもしかしたらおもしろいかもしれないからだよ」とワタシ。ロメロがまた10年ぐらいしてから「アフタヌーン・オブ・ザ・デッド」とか「モーニング・オブ・ザ・デッド」とか撮っても、たぶんワタシまた観に行くんでしょう。そしてまた「あんまりおもしろくなかった」とか言うんでしょう。

投稿者 いがらしみきお

2005年08月30日

えじき

映画バテ、まだつづいてましてね。ホラーだったら観れるかな、と思ってDVD借りてきました。ワタシの場合、夏バテの時は、ご飯の上に梅干しと氷を乗せてその上から水をかけた「梅干し水かけご飯」で乗り切りますが、映画バテの時はホラーに限ります。今までも何度かこれで救われてきました。
さて「えじき」。いきなりダメですよ、これ。なにか出てくるまで40分もかかります。ホラーでなにか出てくるまで40分というと、AVでエロ・シーンがはじまるまで40分かかるのと余り違わない。そりゃぁみんな怒り出すってもんです。出て来てからはいいかというと、オカネないのをバラしたくないのか、単発的になにか出て来るだけで、その辺で結局、惰眠に突入してしまいました。あとは知りません。
映画の予告篇で一番おもしろいのはホラーだと思うんですが、映画の駄作で一番ひどいのもホラーですね。なんというか打ちのめされます。アシスタントがヘナチョコな絵を描いてきた時の打ちのめされ方に似てる。「おまえな…」というか、「言ったろ…」というか、「もういい…」というか、とにかく「…」なんです。
結局、ワタシの映画バテ、さらにひどくなりました。せっかく「0:34」で少し調子が上向きかけたのに。やっぱりロメロの「ランド・オブ・ザ・デッド」観に行くしかないですかね。ま、こりゃぁ賭けみたいなもんですが。ダメ押しというか、返り討ちというか、奈落の底というか…、生き埋めというか…、とにかく「…」な目に遭わないとも限らないし…。……。

投稿者 いがらしみきお

2005年08月26日

0:34

 「レイジ34フン」と読みます。原題は「CREEP」です。終電過ぎたあとの地下鉄の駅に閉じこめられてしまうホラーなので、監督のクリストファー・スミスもインタビューで「0:34の方がいいタイトルだね」とか言ってました。「0:34」は東京の地下鉄の終電の時間だそうです。仙台だと「0:09」でしょうか。いろいろ地域色豊かに、それぞれの都市の終電の時間をタイトルにしてもよかったですね。全国共通のポスターの下に、白い紙にスミ1色でそれぞれの都市でのタイトルを入れた紙を貼るわけです。なんか昔の歌謡ショーのポスターみたいですが。あははは。
深夜の地下鉄駅というと、誰でも一度は、取り残された感覚とかうらぶれた気持ちとか感じたりするもんですが、そこをホラーの舞台に選んだということが、なんか特別なセンスというわけでもないでしょう。ワタシも深夜の「ブックオフ」で、ホラーを作れるかも、と思ったことがありましたが、この場合、バケてるのは、本そのものなんで、本に書いてある人物が次々出て来ます。今だと電車男が「今、会いにいきます」とか言いながら出て来て、「ブックオフ」の中心で「誰か助けてくださーいっ」とか叫んだりするのかも。
それで「0:34」、なかなかいいんですが、とりあえず今までのホラーの歴史と道具立てで作ってるという印象は拭えないですね。ま、ホラーって基本的にそういうものなんですが。歴史に対してリスペクトする、というか。それでもそろそろ新しいエポックになるホラーが欲しい。ロメロの「ゾンビ」のような。新しい解釈じゃなくて、発明に近いもの。それを作れたら誰でもきっと億万長者になれるでしょう。あっ、ロメロって、全然オカネなかったかな。ガレージセールで見つけたようなメガネかけてるし。そのロメロの20年ぶりのゾンビ映画「ランド・オブ・ザ・デッド」が、明日からはじまります。

投稿者 いがらしみきお

2005年08月19日

着信あり2

「着信あり2」です。子供が借りて来てくれ、というので、DVDでいっしょに観ました。
「着信あり」の「1」の方も、確か子供といっしょに観たんですが、ウチの子は、こわがりのくせにこういうのを観たがるというか、こういうのを観たがるくせにこわがりという感じなんですね。
「1」の方は三池崇監督ということで、なんでもありというか、手加減なしのおもしろさがありましたが、「2」は塚本連平という監督、どうなるのかな、と思っていたら、なんか「アナコンダ2」の監督のように、丁寧に撮っていました。でもこの監督は決してホラーとか好きな人じゃないな、と思います。この人は基本的にいい人なんじゃないでしょうか。知らない人ですが。なぜいい人だと思うのかというと、「2」が「恋愛」というものを付け足してきたからというわけではなくて、禍々しいシーンを撮っても、なんか殺伐としていない。いい人に「殺伐」というニュアンスは撮れないと思います。
「殺伐としていないものはホラーではない」、または「殺伐としたものはすべてホラーである」というホラー原理主義者殺伐派のワタシとしては、なんか不満でしたが、子供にはちょうどよかったみたいで喜んでました。
しかし「1」は、柴咲コウ、「2」はミムラと、日本2大ホラー顔女優をキャスティングして来たのはエライと思います。「2」で、ワタシが一番震え上がったのは、絶叫するミムラの顔のアップでしたから。あははは。

投稿者 いがらしみきお

2005年07月18日

ザ・リング2

ホラー映画が好きなんで、観て来ました。「ザ・リング2」。
今回は本家「リング」の中田監督が、たった一人でハリウッドに渡って、英語しか喋らないで作ったということで、そりゃエライなぁ、と思ってたんですが、結論から言うと、なんだか「ザ・リング2」は、「2」じゃなくて、「ザ・リング」のリメイクみたいでした。もっと単純に言うと、「リング」のリメイクに近いですね。決して「2」じゃない。
アメリカ人が監督の「ザ・リング」は、船の上で馬が暴れるシーンがよかったと思うんですが、中田監督のインタビューを読むと、なんか「2」は、それに味をしめたのか、動物をやたら出す脚本になってたそうですね。それを監督が「鹿だけにさせた」と。ワタシはもっと動物出した方がよかったと思います。出てくる動物の数だけでも多くしておけば、ちゃんと「2」になったのに。あははは。
同じくハリウッドが、本家の清水監督に作らせた「THE JUON」、あちらは完全に「呪怨」のリメイクと名打ってましたが、呪怨さんと呪怨くん(ワタシはこう呼んでます。上から来るのが呪怨さんで、下から来るのが呪怨くんです)の数を増やせば、あーら、不思議、あっと言う間に「2」になるのでした。あははは。「エイリアン2」じゃないんだから。
まぁ、中田監督、単身ハリウッドに行って、いろいろあったでしょうね。映画作りは監督やスタッフの長い旅のようなもので、出来た映画はおみやげみたいなもんですが、旅の方がおみやげの何倍もおもしろいのは当然です。中田監督も出演者とか、誰かスタッフの女の子に惚れたりしたのかなぁ。

投稿者 いがらしみきお

2005年07月08日

クライモリ

これはDVDです。ワタシは最初このタイトルを見た時「蔵イモリ」という、蔵の中に潜む巨大な人食いイモリの話だと思ったんですが、というのはジョーダンです。
これはですね、「悪魔のいけにえ」とか「テキサス・チェンソー」とかと同じ「アメリカど田舎不気味地帯/あんたらもうこっから出られへんで」的な話です。アメリカは広いですからね、海外旅行に行ったり、ネットサーフィンしたり、花粉症がどうのこうのとかとは無縁なところがまだまだ現実に残ってるそうです。ま、日本にもそういうところがあるんじゃないかと思って、この前、そういうホラー漫画を読み切りで描きました。興味のある方は6月の「ビッグコミックスピリッツ」29号と30号を読んでください。前後篇で載っています。ギリギリ30号の方なら今も買えるかも…
とかなんとか言ってる間に、あー、もう7月、ダメだ!すみませーん。もう本屋さんにはありませーん。なんか周回遅れの告知コーナーになってしまいましたが。

投稿者 いがらしみきお