「タイガー&ドラゴン」は家族で楽しく観たので、宮藤官九郎の「真夜中の弥次さん喜多さん」、DVDで観ました。
なんかシュールだと聞いてたんで、ちょっと不安だったんですが、シュールとギャグは水と油みたいなものなんで、「シュールなギャグ」というと笑うギャグじゃなくて、絵に描いただけのギャグになりがちです。原作者のしりあがり寿という人は、その辺を希有なぐらいうまくやれた人だと思うんですが、映画の方は、中村七之助はともかく、長瀬智也だと難しかったでしょう。「タイガー−」の方の長瀬は、ギャグのわからないヤツという設定で、すべてオッケーだったんですが。
ワタシも昔は自分の描くものを「シュールなギャグ」とかよく言われたので、シュールには用心するというか、怨みがあるというか、あははは。「シュール」と言われて喜ぶ人はいません。
そこんところ「タイガー−」の方は「落語」という題材によって、ギャグがリアルな方に繋ぎとめられてたんで笑えたんでしょう。この映画のテーマでもあるんですが、やっぱりシュールより「リヤル」ですね。
2005年10月11日
真夜中の弥次さん喜多さん
投稿者 いがらしみきお
2005年09月17日
コーヒー&シガレッツ
ジャームッシュです。ジャームッシュが好きか嫌いかと言われれば、好きなものと嫌いなものとにはっきり別れてしまうんですが。あと「ジャームッシュが好き」とか言うと、いい年したオヤジがなんだかナメられそうな気がして。あははは。
で、「コーヒー&シガレッツ」、その前に観た「10ミニッツ・オールダー」の中の1本、「女優のブレイクタイム」というのが、とてもよかったので、映画館で観ようと思ってたんですが、間に合いませんでした。それでDVDで観たわけですが、とにかくコーヒーとタバコを前にしてダベってるだけというか、グダグダというか、役者が自分自身を演じたりしてるだけなので、出てくる役者はみんな楽しそうです。漫画家だと「なに描いてもいいですから2ページで」という注文を受けた時みたいな感じでしょうか。
ジャームッシュ、今回も、ニュース番組でコマーシャルなのになかなかカメラが切り替わらないみたいな撮り方は健在です。小津の影響なのかどうか知りませんが、この人この撮り方が止められないんでしょうね。もしワタシがやったとしても、おもしろくて止められなくなると思います。この「字余り」の撮り方、それだけ危険です。それを更にドップリとやってるのが、ロイ・アンダーソン監督の「散歩する惑星」です。「字余り」が更に長くなってる上に、すべてワンシーン・ワンカットなので、出てくる役者さん、どの辺まで演技をつづければいいのか、どこで素に戻ればいいのかわからなくて、みんなウロたえてるように見えます。すごくかわいい映画です。
というわけで「コーヒー&シガレッツ」、好きな方のジャームッシュ作品になりました。
投稿者 いがらしみきお
2005年08月22日
ブリジット・ジョーンズの日記/きれそうなわたしの12ヶ月
困ったな。なにも観たいものがないんで。
しかも、映画というか、フィクションに対して、最近ちょっと食傷気味です。フィクションというのはとにかく閉じた世界というか、いわば瓶の中に作った帆船模型のようなものなので、食欲のないところに「映画」とか出されると、ちょっとうんざりします。夏バテじゃなくて、映画バテでしょうか。夕方のニュース番組の方がまだ食欲そそられるので、最近はもっぱらそれを録画しといて、自民党のオヤジたちのキャラを楽しんでます。
んじゃ、コメディでも、と思って、「ブリジット・ジョーンズの日記」を借りて来たんですが、前作にはあった「英国風味」が随分と薄れてて、こうなるとハリウッドのおバカコメディとあまり変わらない。レニー・ゼルウィガーが、またわざわざ太ったりしてまで出る価値があったのかどうか、それをまたワタシがわざわざビデオ屋まで借りに行って、わざわざ家まで帰ってきて、わざわざDVDデッキにディスクを入れて、いつもうんざりする例のメニュー画面とやらを我慢してまで観る価値があったのかどうか、それぞれの疑問が頭の中をグルグルと駆けめぐり、混乱と悔恨の中でワタシは熟睡してしまうのでした。
ワタシ、レニー好きです。はじめて見たのが、トム・クルの「ザ・エージェント」だと思ってたんですが、実は「悪魔のいけにえ3/レジェンド・オブ・レザーフェイス」とか、「エンパイア・レコード」とか、その前にもいろいろ観てました。どこがいいのかと言うと、いわゆるハリウッド女優として、キュート系でもないし、セクシー系でもないし、名優系でもないところでしょうか。サンドラ・ブロックにカブってますね。角度によっては十人並み、というところなんかサンドラと同じだし。あははは。
さてさて、ワタシの映画バテ、いつまでつづくのでしょうか。
投稿者 いがらしみきお
2005年07月19日
恋の門
またDVDです。こういう映画をシネコンまで観に行こうという気にならないのは、ワタシだけでしょうか。ワタシだけですね。
なんか漫画家の話というか、オタクの話というか、ははー。うんうん。え?原作はマンガ?そうなんだ。ほ、ほー。とか言ってる間に寝てしまったようです。すみません。
だったらなんで「恋の門」観ようと思ったんだよ、おまえは!と言われそうですが、もちろん、どんなのかな、という気持ちで観たわけです。これはおもしろいと思いますよ。「おもしろいな」と思いながら寝てしまったんで。酒井若菜がよかったような気がします。
投稿者 いがらしみきお
2005年07月13日
バッド・サンタ
「バッド・サンタ」です。これもDVDで観ました。
ワタシはビリー・ボブ・ソーントンという役者さんの顔が好きでしてね。いつも「ハンサムだなー」、と思いながら見てます。
それと、テリー・ツワイゴフ監督の「クラム」と「ゴースト・ワールド」は両方とも好きなんで、しかも原案がコーエン兄弟となると、やはり見ておかないといかんな、と思いながら観たんですが、あえなく爆睡。
敗因はなにかと言うと、なんですかね。30分頃まではちゃんと観てたはずなんですが。ワタシが映画というものに対してだんだん無礼者になってしまった、というのはあるでしょうね。昔だったらどんなにおもしろくなくても、それはそれで礼儀尽くしてというか、オカネ惜しくて、最後まで観たもんですが、今となっては、まだ途中なのに平気でラーメン食いに行ってしまったり、これからクライマックスだというのに、もう遅いから帰ろう、などというふざけた理由で出て来てしまう、とんでもないヤツになりました。
これは映画ファンとしては、すでに「非行」とか「不良」の部類に入ってしまっているんじゃないでしょうか。だから、最初このコラムのタイトルは「映画番長」にする予定だったんです。
ある著名な脚本家が「僕の彼女を紹介します」の予告を観て、「おもしろそうだな」と思って観に行ったそうです。でも観てる途中で「これはダメなんじゃないの」とがっかりしたらしいんですが、ワタシには「僕の彼女を−」の予告を観て「おもしろそうだな」と思う純真さはもう残ってないです。その脚本家の人は「僕の彼女を−」を、最後まで観たのかどうかは知りませんけど。
投稿者 いがらしみきお