絵の世界では「オランダの光」と言われてる光の描き方があるそうで、フェルメールとかレンブラントの絵なんかに、それが出ているらしいんですが、ワタシにはよくわかりません。プロの画家ならば「オランダの光で描いてや」とか言われたら、「あぁ、ええで」とか言って、描いてしまえるものではないかと思うんですが。
その「オランダの光」は、オランダにはもうないのか、世界のどこかにあるのか。また、「オランダの光」とは、どういう光の状態なのかを探るドキュメンタリーです。
スタッフは「オランダの光」を求めて、世界のいろんなところに行きます。だからいろんな風景が映るんですが、これが魅力的です。あぁ、ハイビジョンだったらなぁ。
中でも魅了されたのは、地元オランダの堤防での定点観測です。カメラをそこに据え置いて、1年の光の変化と雲の変化を見せてくれますが、ワタシには「ほれ、オランダの光がそこにバッチリ映ってるじゃないの」と思えてしょうがなかったんですが。
余談ですが、ワタシも以前、「ワタシの夕焼け365日」という作品を作ろうと思ったことがあります。自宅の窓にカメラを据え置いて、夕焼けが出ても出なくても、365日とにかく日没の西の空を撮ろう、そしてそれをCDに焼いて、ソフトウェアとして、通販で売ろうと思ったことがあったんです。しかし、その前に「ワタシの昼飯365日」の方が魅力的に思えて、結局、どっちもやりませんでしたが。
この「オランダの光」の見所は、やはり「オランダの光」を求めて撮ったいろいろな風景でしょう。ワタシは風景好きなので、乗り物に乗った時、居眠りしたりするのがもったいない。栃木県の国道沿いファミレス風景だろうが、茨城県のラブホテル街道だろうが、いつでも楽しく見れます。
ある本好きの人が、「本だったらなんだっておもしろいじゃないか、こんな最高なものないよ」というようなことを言ってましたが、それで行くと、ワタシなんかは「どんな風景だっておもしろいじゃないか、こんな最高なものないよ」と思うのでした。
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドキュメンタリー