「レイジ34フン」と読みます。原題は「CREEP」です。終電過ぎたあとの地下鉄の駅に閉じこめられてしまうホラーなので、監督のクリストファー・スミスもインタビューで「0:34の方がいいタイトルだね」とか言ってました。「0:34」は東京の地下鉄の終電の時間だそうです。仙台だと「0:09」でしょうか。いろいろ地域色豊かに、それぞれの都市の終電の時間をタイトルにしてもよかったですね。全国共通のポスターの下に、白い紙にスミ1色でそれぞれの都市でのタイトルを入れた紙を貼るわけです。なんか昔の歌謡ショーのポスターみたいですが。あははは。
深夜の地下鉄駅というと、誰でも一度は、取り残された感覚とかうらぶれた気持ちとか感じたりするもんですが、そこをホラーの舞台に選んだということが、なんか特別なセンスというわけでもないでしょう。ワタシも深夜の「ブックオフ」で、ホラーを作れるかも、と思ったことがありましたが、この場合、バケてるのは、本そのものなんで、本に書いてある人物が次々出て来ます。今だと電車男が「今、会いにいきます」とか言いながら出て来て、「ブックオフ」の中心で「誰か助けてくださーいっ」とか叫んだりするのかも。
それで「0:34」、なかなかいいんですが、とりあえず今までのホラーの歴史と道具立てで作ってるという印象は拭えないですね。ま、ホラーって基本的にそういうものなんですが。歴史に対してリスペクトする、というか。それでもそろそろ新しいエポックになるホラーが欲しい。ロメロの「ゾンビ」のような。新しい解釈じゃなくて、発明に近いもの。それを作れたら誰でもきっと億万長者になれるでしょう。あっ、ロメロって、全然オカネなかったかな。ガレージセールで見つけたようなメガネかけてるし。そのロメロの20年ぶりのゾンビ映画「ランド・オブ・ザ・デッド」が、明日からはじまります。
投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー