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2005年09月20日

チャーリーとチョコレート工場

「チャリチョコ」です。家族といっしょに観に行く約束が、先にひとりで観てしまったのですごく怒られました。うぐぐぐ。ほんとは「銀河ヒッチハイクガイド」を観たかったんですが、仙台ではやらないようなので今週は他に観たいものがない。地方のシネコンじゃ今や「銀河ヒッチ−」なんかどこもやりませんしね。だいたいにおいてSFとかホラーなんてものにはおばさんは来ない。おばさんが来ないものはやらない、というのが最近の日本のショー・ビズの現状です。
昔の経済原則はなにをさておいても「若い人」でした。若い人が来ないものには誰も来ないし、若い人が飛びつかないものはブームにもならないものと決まってましたが、今やほとんどのイニシャチブはおばさんが握ってるような気がします。では若い人はどうしてるかというと、ジリジリとオタク化してしまっている。昨日なんか、ウチの嫁さんも娘も、なんのためらいもなく自分を「オタクだよ」と言ってしまうので、ちょっとびっくりしました。「オタク」っていつのまにか悪口じゃなくなってます。
ティム・バートン監督と言えば、オタク文化のアイドルみたいな人ですが、「オタク」が悪口じゃなくなるのと同じようにが、この人の作品もどんどん普遍化してきてます。ただ、それは評論家の言うところの「ティム・バートン特有の毒がなくなった」とかいうことが理由じゃないでしょう。毒なんて抜くのも入れるのもそんなに難しいことじゃないんで。たぶんティム・バートンはやっぱりオタクだからでしょう。オタクの経験値って有限なんですよ。
「チャリチョコ」もテーマパーク巡りみたいな映画ですが、スモールワールドですね、これ。たぶんティム・バートンはスモールワールドが一番好きなんでしょう。でも、スモールワールドが一番好きっていうオヤジに言うべきことはなにもないじゃないですか。「ああ、そうですか。いいですよね、スモールワールドも」としか言えない。そんな映画です。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ファンタジー