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2005年07月30日

ライフ・イズ・コメディ!/ピーター・セラーズの愛し方

「ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方」です。なんかとんでもない副題ですね。ピー・セラの映画だということをウリにしようとしたんでしょうが、ピー・セラのファンてそんなにいるのかなぁ。まぁ、ワタシはファンでしたけど。
でも、どうせだったら、「愛し方」とかより、もっと謎めいて「ピーター・セラーズのアレ」とかにした方が、ツカミがいいんじゃないでしょうか。「アレ」ってなんなのか確かめたくて、観にくる人だっているだろうし。「スターウォーズ」なんかも、いつも「攻撃」とか「復讐」とか、ミもフタもない副題ばっかりなんで、「シスのアレ」の方がよかったと思います。
まぁ、マクラはこんなところで、本題の「ライフ・イズ・コメディ!」、これはDVDです。劇場で観たかったけど、仙台でやったのかなぁ。シネコンばかりになったら、結局、観たい映画が来なくなりましたね。最近はどこもかしこも「シスのアレ」ばっかりで。
ピー・セラって「チャンス」に出た後、いきなり死んだみたいに思ってたんですが、心臓が悪かったんですね。でも、結局、天才肌だったんだ。ドラッグやって、マザコンで、自分勝手で、家庭を省みない、きれいなおねえさんが大好きなヤツ。
以前、東京に行った時、ちょっと時間が余ったのでレイ・チャールズの伝記映画「レイ」を観たんですが、こっちも、そっくりそのまま、ドラッグやって、マザコンで、自分勝手で、家庭を省みない、きれいなおねえさんが大好きなヤツに描かれてました。結局、なにを見せたくて、こういう映画を作るんでしょうね。サブ・カルチャーのスターの人生として、ピー・セラもレイ・チャも、まったく型どおりの生き方なんだから、もうわざわざ見せてもらわなくてもいいんですが、こういう人生になんらかの美意識を刺激される人って、未だにカッコよくくわえタバコする人なのかも。
しかし、死んだあと雪の中に立ちつくすピー・セラこと、ジェフリー・ラッシュはよかったです。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ

2005年07月28日

オランダの光

絵の世界では「オランダの光」と言われてる光の描き方があるそうで、フェルメールとかレンブラントの絵なんかに、それが出ているらしいんですが、ワタシにはよくわかりません。プロの画家ならば「オランダの光で描いてや」とか言われたら、「あぁ、ええで」とか言って、描いてしまえるものではないかと思うんですが。
その「オランダの光」は、オランダにはもうないのか、世界のどこかにあるのか。また、「オランダの光」とは、どういう光の状態なのかを探るドキュメンタリーです。
スタッフは「オランダの光」を求めて、世界のいろんなところに行きます。だからいろんな風景が映るんですが、これが魅力的です。あぁ、ハイビジョンだったらなぁ。
中でも魅了されたのは、地元オランダの堤防での定点観測です。カメラをそこに据え置いて、1年の光の変化と雲の変化を見せてくれますが、ワタシには「ほれ、オランダの光がそこにバッチリ映ってるじゃないの」と思えてしょうがなかったんですが。
余談ですが、ワタシも以前、「ワタシの夕焼け365日」という作品を作ろうと思ったことがあります。自宅の窓にカメラを据え置いて、夕焼けが出ても出なくても、365日とにかく日没の西の空を撮ろう、そしてそれをCDに焼いて、ソフトウェアとして、通販で売ろうと思ったことがあったんです。しかし、その前に「ワタシの昼飯365日」の方が魅力的に思えて、結局、どっちもやりませんでしたが。
この「オランダの光」の見所は、やはり「オランダの光」を求めて撮ったいろいろな風景でしょう。ワタシは風景好きなので、乗り物に乗った時、居眠りしたりするのがもったいない。栃木県の国道沿いファミレス風景だろうが、茨城県のラブホテル街道だろうが、いつでも楽しく見れます。
ある本好きの人が、「本だったらなんだっておもしろいじゃないか、こんな最高なものないよ」というようなことを言ってましたが、それで行くと、ワタシなんかは「どんな風景だっておもしろいじゃないか、こんな最高なものないよ」と思うのでした。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドキュメンタリー

2005年07月27日

らくだの涙

「らくだの涙」、DVDです。
この映画は、子育てをしなくなった母ラクダに馬頭琴の演奏を聞かせると、母ラクダは涙を流し子育てをするようになる、というモンゴルの伝説の音楽療法を描いたドキュメンタリーです。という説明を、映画会社の朝の企画会議の席上で述べたなら、たとえプロデューサーがジェリー・ブラッカイマーでも、ドン・シンプソンでも、即座にGOサイン出してくれるでしょうね。これはそれぐらい強力なツカミです。
問題はほんとうにラクダが涙を流すかどうかですが、ちゃんと涙を流して、子育てをやりはじめます。この映画のためにラクダが何頭も死んだとか、マイケル・ムーアみたいにカットのつなぎでウソこいたりするドキュメンタリーじゃぁありません、たぶん。
どうですか、みなさんも観たくなったでしょう。だからワタシも観ました。モンゴルの草原と山々が映るたびに、あぁ、ハイビジョンだったらなぁ、とか思いながら観てたんですが、結構淡々と撮っていて好感が持てます。
まぁ、子育てしなくなったラクダの母子と、そのラクダを飼っている家族の若い母親と子供の関係を対比させたりという演出ぐらいはするんですが、あと、テレビを欲しがる子供なんかも出して、ヒタヒタと押し寄せる消費社会の影なんかも入れたりもします。しかし、涙を流した母ラクダが、子ラクダのそばに行くのを見届けた馬頭琴奏者のおじさんが「やれやれ、一服するか」とか言いながら、タバコをプカリとする素朴さは、実にクールでした。この映画の中では、母ラクダ以外、誰も泣いたりしません。そんなの見て泣いてるのは、映画観たりする人だけなのかも。
テレビを欲しがる子供におじいさんが言います。「そんなもの買ったら、箱の中の絵ばっかり観て暮らすことになるんだぞ」。おじいさん、すみません。ワタシがそうです。白い布きれに映る絵ばっかり観て生きてしまいましたぁ。うぅ…。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドキュメンタリー

2005年07月26日

アナコンダ2

「アナコンダ2」です。映画館に行こうかと思ってたら、結局、仙台には来ませんでした。だからDVDです。
「アナコンダ」の「1」の方は、ジェニファー・ロペスの出世作として有名ですが、CGバレバレということを恥じることもなく、撮りたい絵をゴリゴリ撮ったというところに、スガスガしいものを感じた作品でした。あと、アナコンダにペッと吐き出されて、半分溶けかかりながらもウインクして死んでいくチャーミーなジョン・ボイドにシビれたもんです。
今回は、ジェニ・ロペもボイドもいない。さぁ、どうするかと思ったんですが、スターがいない代わりに、モンスター物の定石を外すことなく、律儀に丁寧に作っています。それはそれで好感持てるんですが、ちょっと律儀にやりすぎる。そんなのやってもしかたないのに、と思うところさえあります。とにかくマジメです。
さぁ、ラストのクライマックス、これはあとひと押しくるだろうと思って、気分的には、後ろを向いて目をつむって最後のひと押しを待ってる、という状態でいたんですが…ん?あれ?いつまでたっても押してこない。おかしいな、と思って振り向いてみたら、もう帰ってしまってました、という映画でしょうか。なんか、今夜は泊まってもいいのに、と思ってる彼女を前にして、結局、家まで送り届けてしまうマジメな男みたいです。「1」の方は、スキあれば押し倒そうとするモノオジしないヤツだったんですが。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アクション

2005年07月25日

Mr.インクレディブル

この「映画ゾンビ」、なんか気むずかしいことばっかり言ってるようですが、結局、ここは「ぼのぼの」のサイトなんで、やっぱりアニメも取り上げないといかんですね。
「Mr.インクレディブル」です。DVDです。映画館でも観てるんですけど、家で家族といっしょに観ても楽しいものです。妻も娘も大いに楽しんでました。ちょっと長いということも含めて、ほぼ完璧なアニメじゃないでしょうか。こういうアニメを作りたいもんですね。「こういうアニメを」と一言で言えるほど簡単なものではないんですが。
オカネがあれば作れるかというと、それだけでは作れないでしょうね。ちゃんと動かせる優秀なアニメーターがいれば作れるかというと、それでもどうでしょうか。すごい才能の監督がいれば作れるかというと、それでも無理かもしれないですね。誰にも負けない情熱があれば作れるかというと、それでもやっぱり作れないかもしれない。結局、今言った条件以外に運が必要ですね。「Mr.インクレディブル」は、なにか強力な運があったはず。神の祝福と言ってもいいですが。
だから傑作になったんでしょう。イーストウッドもスピルバーグも、これを観て反省してほしいですね。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アニメ

2005年07月23日

宇宙戦争

観てきました。「宇宙戦争」。スピルバーグです。トム・クルです。ダコタちゃんです。
なんでも「プライベート・ライアン」を彷彿とさせるぐらいの殺戮描写だとか聞きました。うおー!またやるのか!スピ!
抵抗むなしくエイリアンに捕らわれ、目を覆いたくなるほどの拷問を受けた瀕死のトム・クルの目の前で、もう助からないぐらいの重傷を負ったダコタちゃんが、はみ出すはらわたを押さえながら、「助けて!パパ助けてー!」と泣き叫ぶ。それを見かねて、自分の自決用として、すでに弾が一発しか残っていない銃で、ダコタちゃんの眉間を、涙と絶叫とともに撃ち抜くトム・クル。飛び散るダコタちゃんの脳奬。うおー!すげい!すげいぞ!スピ!と期待していたら、そんなシーンはどこにもありませんでした。いや、例によって途中で寝てしまったので、その間、なにかそれらしいシーンがあったのかもしれないですが。
結局これは、「インディペンデンス・デイ」味と「ジュラシック・パーク」味と「プライベート・ライアン」味の3つの味を楽しめる、お得な映画なんでしょう。どうせ観るんなら、上記3本をまとめて観た方がいいと思うんですが。
まぁ、「宇宙戦争」というタイトルのブロックバスター映画で、ワタシが期待したような殺戮シーンがあるわけないですね。そんなに期待していたわけでもないんですが、ワタシって「映画ゾンビ」とか言っても、まだまだウブなところも残ってるのかも。でも、観たかったなぁ、宇宙版「プライベート・ライアン」を。帰って「スターシップ・トルーパーズ」でも見るかぁ。
エイリアンの攻撃から逃げる人間で、ごった返すフェリーの甲板。身動きも出来ない群衆の中に、容赦なく撃ち込まれるビーム砲。砕け散る頭部、もげる手足、身動きも出来ず、撃たれるままの人、人、人。頭がなくなった黒人の体の下に潜り込んで必死に身を守ろうとするトム・クルとダコタちゃん、突然髪の毛を掴まれ、死体の山の中から引きずり出される二人。その目の前には民兵の軍曹が。「銃はひとつしかない!どっちか死んだら、生き残った方がまたこの銃で突撃しろ!」「もし逃げて帰って来たら、オレがきさまらを撃ち殺す!」「さぁ、死んでこい!」。血塗れのまま、フェリーから蹴落とされ、ビーム砲の雨の中を突撃するトム・クルとダコタちゃん。そのダコタちゃんの目の前で、あっと言う間に下半身を吹き飛ばされるトム・クル。殺戮の光に炙り出される地獄絵図の中で、ダコタちゃんが叫んだ。「パパー!!」

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: SF

2005年07月22日

あゝ!一軒家プロレス

「あゝ!一軒家プロレス」です。ソニンが出てなかったら観なかったでしょうけど。
「砂と霧の家」の時もそうでしたが、結局、ワタシは女優さんで観るタイプなんですかね、映画を。いや、これもDVDで観たんですが。
タイトルが素晴らしいですね。誰がつけたのかな。テリー伊藤?
バトル物を撮りたかったんでしょうが、一応ストーリーとかもあります。例によって途中で寝てしまったんで、そのストーリーがよくわかってないんですけど、ワタシはもともとストーリーとかに感心するタイプじゃないので、ストーリーなんかは「スターウォーズ」方式で字幕でズンズン説明してしまって、あとは一軒家でプロレスするところからはじめてもいいんじゃないかと思いました。メル・ギブソンの「パッション」みたいに。
ワタシは「パッション」をパフォーマンス・ムービーと呼んでますが、あの作品はハリウッドが作った近来稀にみるエポックだと思います。観客が2人死んだところをみると、史上初の殺人映画、または兵器映画と命名してもいい。「映画は人まで殺してしまえるものなのだ」ということを、世間に如実に知らしめたメル・ギブの功績は、アカデミー賞とラジー賞、アボリアッツ映画祭マタンキ賞とかまで、あげてもいいとさえ思ったぐらいでした。
ところで、主演のプロレスラーの橋本選手が亡くなりましたね。子供の頃からプロレスファンだったんですが、なぜか橋本、蝶野、武藤の時代から見なくなってたんです。まぁ、余談ですが。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アクション

2005年07月20日

ヴィタール

「ヴィタール」です。塚本晋也監督です。これもDVDでした。
「記憶を失った医学生が記憶を取り戻すために解剖実習にのめり込む」という、なんかわからないけど、いいプロットですね。
それで、結論から言うと、これも途中で寝てしまいました。すみません。DVDで観ると、ほとんどの場合、ワタシは寝てしまうので、これからは寝てしまった時点で、どう感じていたかで、評価しようと決めました。「ヴィタール」、これも「おもしろいな」と思いながら寝てしまったんで、おもしろいはずです。とか言っても信じないでしょうね。いや、信じてもらわなくていいんです、こんな映画評。
だけど、塚本監督の映画って、いつも雨が降ってるようになったのはいつからかなぁ。あと、出てくる人がみんな死んでる人みたいに見えるんですが。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ

2005年07月19日

恋の門

またDVDです。こういう映画をシネコンまで観に行こうという気にならないのは、ワタシだけでしょうか。ワタシだけですね。
なんか漫画家の話というか、オタクの話というか、ははー。うんうん。え?原作はマンガ?そうなんだ。ほ、ほー。とか言ってる間に寝てしまったようです。すみません。
だったらなんで「恋の門」観ようと思ったんだよ、おまえは!と言われそうですが、もちろん、どんなのかな、という気持ちで観たわけです。これはおもしろいと思いますよ。「おもしろいな」と思いながら寝てしまったんで。酒井若菜がよかったような気がします。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: コメディー

2005年07月18日

ザ・リング2

ホラー映画が好きなんで、観て来ました。「ザ・リング2」。
今回は本家「リング」の中田監督が、たった一人でハリウッドに渡って、英語しか喋らないで作ったということで、そりゃエライなぁ、と思ってたんですが、結論から言うと、なんだか「ザ・リング2」は、「2」じゃなくて、「ザ・リング」のリメイクみたいでした。もっと単純に言うと、「リング」のリメイクに近いですね。決して「2」じゃない。
アメリカ人が監督の「ザ・リング」は、船の上で馬が暴れるシーンがよかったと思うんですが、中田監督のインタビューを読むと、なんか「2」は、それに味をしめたのか、動物をやたら出す脚本になってたそうですね。それを監督が「鹿だけにさせた」と。ワタシはもっと動物出した方がよかったと思います。出てくる動物の数だけでも多くしておけば、ちゃんと「2」になったのに。あははは。
同じくハリウッドが、本家の清水監督に作らせた「THE JUON」、あちらは完全に「呪怨」のリメイクと名打ってましたが、呪怨さんと呪怨くん(ワタシはこう呼んでます。上から来るのが呪怨さんで、下から来るのが呪怨くんです)の数を増やせば、あーら、不思議、あっと言う間に「2」になるのでした。あははは。「エイリアン2」じゃないんだから。
まぁ、中田監督、単身ハリウッドに行って、いろいろあったでしょうね。映画作りは監督やスタッフの長い旅のようなもので、出来た映画はおみやげみたいなもんですが、旅の方がおみやげの何倍もおもしろいのは当然です。中田監督も出演者とか、誰かスタッフの女の子に惚れたりしたのかなぁ。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー

2005年07月16日

砂と霧の家

あー、今頃こんなのレビューしてる。まぁ、昨日DVDで観たもんですから。
家の所有権を巡る話なんですが、ジェニファー・コネリーが出てなかったら、観なかったでしょうね。
確かに家を巡る話ではあるんですが、結局、これオカネの話だと思います。家をとられたジェニファーもオカネがない、家をとったベン・キングズレーもオカネがない、オカネさえあれば、すべて解決するとは言わないけど、こんな話はなかったことになる。
オカネさえあれば、ジェニファーも働かないでいられるし、好きなだけタバコ吸えるし、好きなだけお酒も飲める。ベンもオカネさえあれば、隠れて日雇い仕事やらなくてもいいし、別荘も取り返せるし、また上流階級の仲間入りもできる。
「オカネがない話」を「オカネがあったら」ということにしてみると、この映画のテーマもなんとなく見えて来ますね。結局、ジェニファーも、ベンもみんな不幸になるエンディングなんです。それがこの映画の限界かもしれないですけど。
ところで、なんでこの映画のレビューをやろうと思ったかというと、確かに「昨日観たから」というのもあるんですが、最近、有名人がよってたかって臆面もなく騒いでいる、ホワイトベルトだか、ライブ8だかを批判しようと思ったんです。あと、「世界でただひとつの花」とかいうものを、臆面もなく歌ってるSMAPにも、この「砂と霧の家」にかけて、ちょっと批判というか、悪口を、と思ったんですが、なんか話が長くなりそうなのと、このHPに抗議が殺到したりするかもしれないので、また別の機会に。まぁ、別の機会なんてないかもしれないですけど。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ

2005年07月15日

フォーガットン

「フォーガットン」、今回はネタバレもあるので、これから観ようとしている人は要注意です。まぁ、開始30分でもうバレバレになるんですが。
事故死した息子の記録がどんどん消されて行って、息子がいたことさえ、そのうちみんなに否定されます。みんなウソついてる?それとも私が狂ってるの?というのは、設定としては魅力的だなぁ、と思ったので、行ってみました。
まぁ、こういう設定の映画というのは、観る前に「こういうネタは勘弁ね」とか「実はこうだったとか言ったら殴るよ」とか、予断というか、予防線みたいなものを張ってしまうもんですが、ワタシの場合、この映画を観る前の予防線として、「実は国家の陰謀だった」、「実はエイリアンの仕業だった」、「犯人は執事だった」、この三つを考えてました。この三つ以外のネタだったら、まぁ、最後まで観ようと思っていたんですが、途中でワタシの予防線が次々と決壊!そして怒りの爆睡へ!
40分ぐらい寝てから目を醒ますと、スクリーンではなんか変な人が、すごい勢いで空に吸い込まれて行ったので、あぁ、あの人が犯人なんだろう、でもあの人誰?などと思いながら、コソコソと途中で退場。その後、本屋で怒りを静めること30分。少し怒りも収まってから家路につきました。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: サスペンス

2005年07月14日

ミリオンダラー・ベイビー

観もしないで「傑作なんだろ」とか言っててもしかたないので、観て来ました。「ミリオンダラー・ベイビー」。
うーん、傑作じゃないんじゃないかなぁ。最近ありがちな「傑作もどき映画」ではあるんでしょうけど、結局、「傑作」にはならなかったというか。韻を含んだエピソードとキャラクター造型、繰り返される重層的テーマ、ハリウッドの価値観に組みしないエンディング、帰納法、演算法、サイン・コサイン・タンジェントというか、とにかく映画ってのはこう作るんだよ的職人芸を駆使してるんですが、「許されざる者」や「ミスティック・リバー」で見かけた手法ばかりで、新しい展開としては、教会の中、神父様を前にして、メソメソとハナを垂らして泣くイーストウッドだけでしょうか。
ワタシの前の席にいたおばさんは、ヒラリーの折れた鼻に指突っ込んで治すシーンには目を背けて、イーストウッドが尊厳死を手伝うところでは目頭を拭ってたんですが、こういう人がこういう映画を、知り合いのおばさん2、3人に「すごくよかったわよー、奥様ー、おすすめです」とかメールしたりするのかなぁ。大きなお世話でしょうけど。
尊厳死を手伝うべく、イーストウッドは古いロッカーの奥からマグナム銃を取り出して、ホットドッグ頬張りながら、全身麻痺になったヒラリーの眉間を黙ってぶち抜いて去って行ったんなら、同じく尊厳死をテーマにした「カッコーの巣の上で」に、少し近づけたかもしれないですけど、まぁ、アカデミー賞はなかったことになるでしょうね。
しかし、こういう「傑作もどき映画」というものが、ワタシを映画ゾンビにさせた第一の原因のような気がします。いや、人のせいにしちゃいけないですね。ただ単に映画ばっかり観てきた報いなんで。
「傑作もどき映画」というものの歴史は、たぶん「ニューシネマ・パラダイス」からはじまってるような気がします。あの映画はあの映画で、ワタシは嫌いじゃないんですが、あの監督自身が、以降「傑作もどき映画」しか撮らなくなったのに合わせて、他の映画も、そこにビジネスチャンスとか嗅ぎつけて、大挙して参入してきたような気がします。その結果としての「セカチュー」とか「イマアイ」とか「デンオト」なんじゃないでしょうか。あ、「デンオト」というのは「電車男」のことですけど。
ちなみに、この「傑作もどき映画」の対極にいるのがタランティーノです。彼は「傑作」なんかどうでもいいんだと思います。まず「撮りたいもの」があるんでしょう。だから彼は支持されるんだし、「キルビル」とか撮っても、まだみんなに許してもらえるんじゃないでしょうか。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ

2005年07月13日

バッド・サンタ

「バッド・サンタ」です。これもDVDで観ました。
ワタシはビリー・ボブ・ソーントンという役者さんの顔が好きでしてね。いつも「ハンサムだなー」、と思いながら見てます。
それと、テリー・ツワイゴフ監督の「クラム」と「ゴースト・ワールド」は両方とも好きなんで、しかも原案がコーエン兄弟となると、やはり見ておかないといかんな、と思いながら観たんですが、あえなく爆睡。
敗因はなにかと言うと、なんですかね。30分頃まではちゃんと観てたはずなんですが。ワタシが映画というものに対してだんだん無礼者になってしまった、というのはあるでしょうね。昔だったらどんなにおもしろくなくても、それはそれで礼儀尽くしてというか、オカネ惜しくて、最後まで観たもんですが、今となっては、まだ途中なのに平気でラーメン食いに行ってしまったり、これからクライマックスだというのに、もう遅いから帰ろう、などというふざけた理由で出て来てしまう、とんでもないヤツになりました。
これは映画ファンとしては、すでに「非行」とか「不良」の部類に入ってしまっているんじゃないでしょうか。だから、最初このコラムのタイトルは「映画番長」にする予定だったんです。
ある著名な脚本家が「僕の彼女を紹介します」の予告を観て、「おもしろそうだな」と思って観に行ったそうです。でも観てる途中で「これはダメなんじゃないの」とがっかりしたらしいんですが、ワタシには「僕の彼女を−」の予告を観て「おもしろそうだな」と思う純真さはもう残ってないです。その脚本家の人は「僕の彼女を−」を、最後まで観たのかどうかは知りませんけど。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: コメディー

2005年07月12日

モーターサイクル・ダイアリーズ

「モーターサイクル・ダイアリーズ」です。これはチェ・ゲバラ若い頃の「自分探しの旅」ってものでしょうか、やっぱり。映画館ではなくてDVDで観ました。
とにかく南米の風景が好物なので、南米のロードムービーと聞くと観ないわけには行きません。南米も広いですね。雪、水、砂漠といろんな風景がある。ついでにメキシコまで行ってくれるとよかったんですが、旅をするのはゲバラなので勝手なことは言えません。
でも、ゲバラをこんなに好青年に描いてるとは思ってなかったので、ちょっとびっくりしました。ゲバラって結構オカネ持ちの家柄なんですね。これも意外でした。何回も「ゲバラ」「ゲバラ」書いてると、ゲバラってほんとに変な名前だな、と思います。ゲバラゲバラ。
それにしてもこの映画も「傑作」狙いだったのかなー。ゲバラゲバラゲバラ。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ

2005年07月11日

コンスタンティン

えー、ほんとは「ミリオンダラー・ベイビー」を観ようと思ってたんですが、本屋をウロウロしたり、晩メシ食ったりしてる間に、間に合わなくなってしまって。
でも同じシネコンでやっていた「コンスタンティン」が時間ドンピシャだったので、こちらを観ました。「おまえは時間が合えばどんな映画でもいいのか!」と言われそうですが、もちろんそんなことはないんです。なんとなく「ミリオンダラー・ベイビー」を観るのが、億劫になったんですね。本屋をウロウロしてる間に。
「ミリオンダラー・ベイビー」はたぶん傑作なんでしょう。イーストウッドだし、アカデミー賞だし。だけど、その傑作の案配というのがなんとなく予測がついてるというか、もう世の中には傑作を作れる人が何人ぐらいいるのかなぁ、5万人はいるんじゃないかなぁ、というか、オレは傑作を観たいのか?オレは傑作とかじゃなくて、ただ単に「すごいもの」を観たいんだろう、昔から。そうだろ?とか、ちょっと思ったわけです。
「傑作ならすごいはずじゃないか!」と言われそうですが、傑作でもそれほどすごくないものもある、というか、傑作だったけどすぐ忘れてしまうものがある、というか、「傑作」の仲間入りしたくて作ってるというか、最近の「傑作」はそんな感じなんです。「傑作はもういい」という言葉さえ頭に浮かんだ夜でした。
それで代わりに観た「コンスタンティン」は、「すごいもの」だったかというと、すごくはありませんでした。まぁ、レイチェル・ワイズという女優さんが好きなので、あと「傑作」でもなかったので、それはそれで文句言うつもりはありません。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アクション

2005年07月10日

春夏秋冬そして春

キム・ギドクという人は、「魚と寝る女」とか「悪い男」とか、スキャンダラスな映画を撮る監督として有名です。西のギャスパー・ノエか東のキム・ギドクか、と言われてるほどですが、言ってるのはワタシだけなんで、信じないでください。これはDVDで観ました。
ギドクという監督は必ずと言っていいほど売春シーンを出す人です。この世に売春しない女の人はいない、と思ってるのかも。あははは。
今回は俗世間から隔絶された寺院にいるお坊さんの話なんで、さすがに売春シーンはないだろうと思ったら、DVDのジャケットに「無修正版」とかあるではありませんか。あはは。あはは、じゃないか。
だからそういうシーンはありますが、ギドク監督らしからぬ、煩悩と解脱の世界を描いています。別にらしくなくてもいいんですが、お坊さん、美しい自然、そして「春夏秋冬そして春」というタイトルから、三題噺として「こんな話かも」と予想したとおりの展開なので、終盤で爆睡してしまいました。ハッと目を醒ましたら、もう終わっていたので、寝てしまったあたりのシーンから見直したら、また寝てしまいました。えー、とにかくセリフの少ない映画です。そういう映画です。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ドラマ

2005年07月09日

復讐者に憐れみを

えーと、これはですね、「オールドボーイ」の監督の前作です。なんでもこのパク・チャヌク監督は「復讐三部作」を撮っているそうで、この「復讐者に憐れみを」が1作目、「オールドボーイ」は2作目なんだそうです。ちょっと前に東京に行った時に、ちょうど封切りだったので、時間があったら観ようと思ってたんですが、その時は行けませんでした。で、今頃仙台にも来たらしいので、慌てて観に行ったというわけです。
観たら驚いた。テレビアニメ版の「ぼのぼの」が、3カットぐらい出て来ます。全然知らなかったので、目の前で起きてることの事情がさっぱり飲み込めなかったぐらいです。
以前、「ぼのぼの」のアニメ公開の時に、この映画館で舞台挨拶したりして、以降、ちょくちょく観に来たりもしてるので、もしかしたら、映画館の人がワタシ向けのドッキリを作って待っててくれたのかな、とか思ったぐらいでした。あははは、そんなわけないか。
「ぼのぼの」のテレビアニメが、違法に韓国でオンエアされている話は聞いていたんですが、たぶんそれを使ったんでしょうね。ワタシは使用許可した覚えないですし。
でも、映画が素晴らしかったんで、文句言うつもりはありません。おもしろい映画に使われるんだったら、みんな著作権がどうのこうのなんて言わないんじゃないでしょうか。いや、そんなことないでしょうけど。あははは。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: サスペンス

2005年07月08日

クライモリ

これはDVDです。ワタシは最初このタイトルを見た時「蔵イモリ」という、蔵の中に潜む巨大な人食いイモリの話だと思ったんですが、というのはジョーダンです。
これはですね、「悪魔のいけにえ」とか「テキサス・チェンソー」とかと同じ「アメリカど田舎不気味地帯/あんたらもうこっから出られへんで」的な話です。アメリカは広いですからね、海外旅行に行ったり、ネットサーフィンしたり、花粉症がどうのこうのとかとは無縁なところがまだまだ現実に残ってるそうです。ま、日本にもそういうところがあるんじゃないかと思って、この前、そういうホラー漫画を読み切りで描きました。興味のある方は6月の「ビッグコミックスピリッツ」29号と30号を読んでください。前後篇で載っています。ギリギリ30号の方なら今も買えるかも…
とかなんとか言ってる間に、あー、もう7月、ダメだ!すみませーん。もう本屋さんにはありませーん。なんか周回遅れの告知コーナーになってしまいましたが。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: ホラー

2005年07月07日

ブレイド3

さて、記念すべき1本目は「ブレイド3」。
ブレイドシリーズは、好きなんで楽しみにしていました。なんでも今回は「テキサス・チェンソー」のハナたらし女優、ジェシカ・ビール嬢まで出るというので。
ははぁ、今回の監督はシリーズの脚本やってた人なんだ。なんか悪い予感がしたんですが、当たりました。ブレイドが今さら警察に捕まったり、吸血鬼撲滅のNPO団体みたいな人たちが出て来たり、実はオレには娘がいる、隠してたけど、とかいう例の展開になったりして。うーん、いかんのじゃないの、これ。というわけで途中から爆睡。
目が覚めたらお仲間の人が捕まってたりして、なんで捕まったのかは知らないけど、とにかくブレイドよ、戦え!とか思ってたら、恒例の荒技を出す間もなく終わってしまいました。最後はせめてジェシカ嬢にハナたらして泣き叫んでもらいたかったっス。
まぁ、映画の前に食べた辛味大根そばがおいしかったから、よしとしよう。あと、タラの芽の天ぷらも。
というわけで、ブレイド、辛味大根そばに救われる、の巻はおしまい。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: アクション

2005年07月06日

ごあいさつ

こんにちは。いがらしみきおです。
「ぼのぼの」公式ホームページでありながら、作者としてはなにもやってこなかったんですが、いよいよ「おまえもなにかやれ!」というわけで、なにかやります。
映画のことをやります。とは言ってもどんな映画やDVDを観たか、今流行りのブログ風に、やってもやらなくても、どっちでもよさそうなことをやります。
ワタシは映画が好きでした。「でした」というと過去形になってますが、なぜ過去形なのかというと、今はもうあんまり観ないからです。昔は毎日なにか観てました。それこそ1日3本とか4本とか。
今はだいたい観ながら、寝てしまうことが多いです。だから途中観てないか、最後まで観てないものの方が多かったりします。「そんなんでおまえは映画のことを語るのか」と言われれば、まったくです。語る資格なんかない。語る資格どころか観る資格さえないと思うぐらいです。寝てしまうんですから。
寝なくても、腹が減ると途中で出て来て、ラーメン食いに行ってしまったりもします。とんでもないヤツです。なのにまだシネコンとか行きたがります。他に行くところがないからでもあるんですが、なんかゾンビみたいです。ゾンビは、まだ人間だった頃に通ったショッピングモールとかに、ゾンビになってしまってからも、昔の習性で集まってくるんですが、それに似ています。それでタイトルが「映画ゾンビ」です。
ふざけてると言われればそうなんですが、とにかくやります。途中までしか観てない映画とかをレビューするという世界初の映画評かもしれません。そう考えると少しおもしろいかもしれませんね。ひとつよろしくお願いします。

投稿者: いがらしみきお | カテゴリー: